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アドバイスが『攻撃』に聞こえてしまうあなたへ

2026.4.10

先日、ある歯科医院へ伺いました。目的は、あるTCさんのカウンセリング・チェックです。

彼女は歯科衛生士の資格も持ち、知識も経験も豊富。

ですが、最近は患者さんからの評判が芳しくなく、成約率も低迷中……。

院長や周りがアドバイスしても「私は間違っていません」と意固地になってしまい、お手上げ状態とのことでした。

実際に彼女のカウンセリングを見学して、私が真っ先に感じたのは

「もったいない!!」

という強烈な印象です。


  • 知識があるがゆえに、話したい気持ちがフルスロットルで暴走。
  • あっちへこっちへ、話のネタが散らかり放題。
  • 患者さんは、情報についていけず、目が点……。

本来なら、まずは情報を絞り込み、患者さんが食いついたポイントを深掘りすれば良いし、
話の組み立て(ロードマップ)さえ作れば、迷子にならずに済むはずです。



でも、今の彼女に正論をぶつけても、きっと自分を守る「鎧」をさらに厚くするだけだ……私はそう直感しました。



カウンセリング後のフィードバックで、私はまず、
彼女の生き生きとした表情や、豊かなジェスチャーを心から褒めました。
彼女は最初からずっと手元の資料を見つめて目を合わせようとしません。
頷くこともなく、聞こえているのか心配になるほど、無反応です。
そこで私は、あえてボソッと「独り言」を漏らしてみました。


「……すごく惜しいなぁ。正しいことをちゃんと発信しているんだから、ちょっと変えるだけで、全然伝わるのになぁ」



すると、彼女が弾かれたようにパッと顔を上げました。
「そっか……全部がダメってわけじゃ、ないんだ」

彼女の口から漏れたのは、本音でした。

そこからは、もう「みんなが手をやく意固地なTC」の姿はありません。

「どうすれば話しすぎずに済みますか?」と、素直にアドバイスを求めてくれる本物のTCがそこにいました。



きっと、誰よりも「なぜ伝わらないの?」「こんなに頑張っているのに!」と歯痒い思いをしていたのは、彼女自身だったのでしょう。


うまくいかない時、私たちはついついアドバイスを「自分という人間へのダメ出し」だと捉えてしまいがちです。

自分を守るために、心を閉ざして、意地を張ってしまう。

でも、周りの言葉に耳を傾けることは、自分の負けを認めることではありません。

相手の思いやりを受け取るという、最高に「素直でかっこいい」行為なのです。

もし今「なんだか上手くいかない」と足踏みしているなら、『攻撃』ではなく『思いやり』というアドバイスを求めてみてはいかがですか?