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講師の占部直子です。
問診の指導をしているとき一部の受講生から聞く言葉があります。
「患者さんの生活背景を聞くのが苦手です。自分が患者さんだったら答えたくありません。」

プライベートに踏み込むのは失礼ではないか、自分自身もあまり聞かれたくない・・・そう思うのは自然なことです。
もちろん、言いたくないことを無理に聞き出す必要はありません。
しかし実際には、「本当は分かってほしい」「事情を理解してもらえたら安心する」と感じている患者さんも少なくありません。
ただ一度立ち止まって考えたいのは、その「聞けない理由」は本当に患者さんのためなのか、それとも自分自身の不安や遠慮ではないのか、という点です。
・踏み込みすぎて嫌われたくない
・どう聞けばいいか分からない
・聞いた後にどう対応すればいいか不安
こうした気持ちがあると、無意識に“聞かない選択”をしてしまいます。
その結果、患者さんの背景が分からないまま提案を行い、「なぜ決断につながらないのか」と悩むことになります。つまり、聞けないことが、かえって自分自身を迷わせている状態とも言えます。
もちろん、言いたくないことを無理に聞き出す必要はありません。しかし実際には、「分かってほしい」と感じている患者さんも多くいます。
少しでも背景が見えるだけで、提案の方向性が定まり、自分の中で判断軸が持てるようになります。
大切なのは、完璧に聞くことではなく、「この方に合う関わり方は何か」と考える視点です。
聞くことに向き合うことは、患者さんのためだけでなく、TC自身が迷わず、自信を持って関われるようになるための一歩でもあるということを意識して、患者さんに寄り添えると良いですね。